2015年1月3日土曜日

ビッグホーン

未の歳になりました。明けましておめでとうございます。

今ごろ、日本や中国では、羊の絵を載せたカードや飾りものなど、どれだけの数のものがとり交わされ、掲げられているのだろうか。一方では、遠く離れていて、日常の生活に干支がまったく入っていないカナダでも、国レベルの公式なところに、これにかかわるアイテムが披露され、ささやかな話題になっている。それはカナダ造幣局が秋の間から正式に製造し、公開した羊をテーマにするコインである。それも一気に似たデザインを五種類もラインアップされてい20150103る。それぞれ5ドルか、10ドル、15ドルの額面の価値を持ち、金、銀の材料を用いて上品に仕上げられ、70ドルか100ドルなどの金額で販売されている。最初から東洋的なテーマであるが、それを伝えるには、とにかく大きな「羊」という文字を取り入れている。あとは、画面いっぱいを占めているのは、伝統的なイメージの羊とはほど遠い「ビッグホーン」と呼ばれる山羊である。古代エジプトの太陽神アモンが頭にしている角から名を得た渦巻き状のアモン角が特徴で、立派な顔立ちだが、やはり未の年を暮らしている人々の目からしてはなんとなく異様なものなのだ。説明を読んでいれば、ここアルバータ州のロッキー山脈で生息しているとはっきりと書いてある。その通りだ。たしかに観光で山に入ったら、何回となく目にしている。ここにカナダと東洋との文化的な交流をしっかりと訴えているものだと、はじめて気付かされた。

日常生活にないものだけに、公式の告知文章では関連のことを分かりやすく説明している。羊という文字の意味、未の年に当たる最近九回ほどの実際の年、太陽暦と農暦との区別、そしてまるで運命判断のような語り口での羊の徳まで陳ねた。ただし、干支を表記するのに羊ではなく「未」をいまだ用いているという日本の現在などは完全に視野から外れたことは、ちょっぴりカナダらしくて微笑ましい。

カナダ造幣局の告知

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